井の中の蛙、海外をただ観る

主にイギリスドラマ。映画も好きです。ドラマで得た海外の知識、調べた小ネタなど。

The Greatest Show 和訳

グレイテストショーマンがとても面白かったので、

歌詞を和訳してみました。

目標はもう一度、字幕を見ないで観たい。

 

"The Greatest Show"

 

Ladies and gents, this is the moment you've waited for (woah)

ようこそみんな これこそ君たちが待っていた瞬間
Been searching in the dark, your sweat soaking through the floor (woah)

闇の中で探していただろう 地面に染み込むまで汗を掻いて
And buried in your bones there's an ache that you can't ignore

無視できない痛みが骨を突き刺しても
Taking your breath, stealing your mind

息を飲み 心を奪れ
And all that was real is left behind

現実だったものは全て置き去りにされる

 

Don't fight it, it's coming for you, running at ya

抗うな 君たちのために 君たちを目指して 来たんだ
It's only this moment, don't care what comes after

この瞬間だけ 後のことは気にしないで
Your fever dream, can't you see it getting closer

興奮する夢が近づいて来るのが見えないか
Just surrender 'cause you feel the feeling taking over

ただ身を委ねて だって心が奪われていくのを感じるだろ
It's fire, it's freedom, it's flooding open

それは興奮 自由 心の決壊
It's a preacher in the pulpit and you'll find devotion

壇上の宣教師さ そして君たちは信仰するだろう
There's something breaking at the brick of every wall it's holding

どの壁のレンガにも壊せるヒビはある それが鍵だ
All that you know, so tell me do you wanna go?

わかるだろう ほら 行きたくならないか?

 

[Ensemble & Hugh Jackman:]
Where it's covered in all the colored lights

それは色とりどりの光で覆われた場所
Where the runaways are running the night

逃亡者が夜に駆け抜ける場所
Impossible comes true, it's taking over you

不可能が起こり 君を虜にする
Oh, this is the greatest show

そう これこそがまさに最高のショー
We light it up, we won't come down

幕が上がるよ そして降ろしはしない
And the sun can't stop us now

太陽ですら今の僕らを止められない
Watching it come true, it's taking over you

何が起きるか観ていて 虜になるよ
Oh, this is the greatest show

そう これこそがまさに最高のショー

 

[Hugh Jackman:]
(Woah) colossal we come these renegades in the ring

偉大な僕らこそが一味の反逆者
(Woah) where the lost get found in the crown of the circus king

そこで迷い子はばか騒ぎの覇者の王冠を授かるんだ

 

[Ensemble & Hugh Jackman:]
Don't fight it, it's coming for you, running at ya

抗うな 君たちのために 君たちを目指して 来たんだ
It's only this moment, don't care what comes after

この瞬間だけ 後のことは気にしないで
It's blinding outside and I think that you know

外のことなんてどうでもよくなる もう分かってるだろうけど
Just surrender 'cause you're calling and you wanna go

ただ身を委ねて だって君が望んで呼んだんだ

Where it's covered in all the colored lights

それは色とりどりの光で覆われた場所
Where the runaways are running the night

逃亡者が夜に駆け抜ける場所
Impossible comes true, intoxicating you

不可能が起こり 陶酔させる
Oh, this is the greatest show

そう これこそがまさに最高のショー
We light it up, we won't come down

幕が上がるよ そして降ろしはしない
And the sun can't stop us now

太陽ですら今の僕らを止められない
Watching it come true, it's taking over you

何が起こるか観ていて 虜になるよ
Oh, this is the greatest show

そう これこそが まさに最高のショー


It's everything you ever want

ずっと欲しかった全て
It's everything you ever need

ずっと必要としていたもの全て
And it's here right in front of you

君の目の前のまさにここ
This is where you wanna be (this is where you wanna be)

ここが君が居たかった場所
It's everything you ever want

ずっと欲しかった全て
It's everything you ever need

ずっと必要としていたもの全て
And it's here right in front of you

君の目の前のまさにここ
This is where you wanna be

ここが君が来たかった場所
This is where you wanna be

ここが君が来たかった場所


When it's covered in all the colored lights

色とりどりの光で覆われる時
Where the runaways are running the night

逃亡者が夜に駆け抜ける場所
Impossible comes true, it's taking over you

不可能が起こり 君は虜になるよ
Oh, this is the greatest show

そう これこそがまさに最高のショー
We light it up, we won't come down

幕が上がるよ そして降ろしはしない
And the sun can't stop us now

太陽ですら今の僕らを止めることはできない
Watching it come true, it's taking over you

何が起こるか観ていて 虜になるよ
This is the greatest show

これが最高のショーだ
When it's covered in all the colored lights

色とりどりの光で覆われた時
Where the runaways are running the night

逃亡者が夜に駆け抜ける場所
Impossible comes true, it's taking over you

不可能が起こるんだ 君は虜になるよ
Oh, this is the greatest show

そう これこそまさに最高のショー
We light it up, we won't come down

幕が上がるよ そして降ろしはしない
And the walls can't stop us now

あの障壁も今の僕らを止められない
I'm watching it come true, it's taking over you

僕は何が起こるか観ているよ 君は虜になるんだ
Oh, this is the greatest show

そうこれこそまさに最高のショー


'Cause everything you want is right in front of you

だって君が欲しかった全てが目の前にあるんだ
And you see the impossible is coming true

そして君は不可能が起こるところを観るんだよ
And the walls can't stop us (now) now, yeah

あの障壁も今の僕らを止められない

This is the greatest show (oh)
これこそまさに最高のショー

ブートストラップ・パラドックス

ドクター・フーのシーズン9エピソード3,4で出てきた、

ブートストラップ・パラドックス

 

"Google it."とドクターが言っていたので、

言われた通りにググって見ました。

 

ーDOCTOR

So there's this man. He has a time machine. Up and down history he goes, zip zip zip zip zip, getting into scrapes. Another thing he has is a passion for the works of Ludwig van Beethoven.

こんな男がいた。タイムマシンを持った男だ。過去へ未来へ歴史を行き来し、至る所でやっかいになっていた。また、彼はベートーベンの熱狂的ファンでもあった。

And one day he thinks, what's the point of having a time machine if you don't get to meet your heroes?

ある日彼は思った。自分の英雄に会いに行かずに、一体何の為にタイムマシンを持っているんだ。

So off he goes to eighteenth century Germany. But he can't find Beethoven anywhere. No one's heard of him, not even his family have any idea who the time traveller is talking about. Beethoven literally doesn't exist.

そして彼は18世紀のドイツへ向かった。しかし、彼は結局のところ、ベートーベンを見つけ出すことはできなかった。誰も彼のことを聞いたことがなかったし、彼の家族ですら、そのタイムトラベラーが誰のことを話しているのかわからなかった。ベートーベンは、まさしく存在していなかったのだ。

This didn't happen, by the way. I've met Beethoven. Nice chap. Very intense. Loved an arm-wrestle.

まあ、こんなことは起こってないけどね。僕はベートーベンに会ったし。いい奴だったよ。熱狂的で。腕相撲が好きだった。

No, this is called the Bootstrap Paradox. Google it.

とにかく、これをブートストラップ・パラドックスと言う。ググってくれ。

The time traveller panics.He can't bear the thought of a world without the music of Beethoven. Luckily he'd brought all of his Beethoven sheet music for Ludwig to sign. So he copies out all the concertos, and the symphonies and he gets them published. He becomes Beethoven. And history continues with barely a feather ruffled.

そのタイムトラベラーはパニックになった。彼はベートーベンの音楽がない世界など考えるに耐えなかった。幸運なことに、彼はサインを貰おうと思って、ベートーベンの全ての楽譜を買っていた。そこで彼はその協奏曲も交響曲も全てを写し、発表させた。彼がベートーベンになったのだ。こうして、僅かな波が立っただけで、歴史は変わらずに続く。

But my question is this. Who put those notes and phrases together? Who really composed Beethoven's Fifth?

しかし、ここで僕の疑問はこうだ。誰がその音色と楽句を組み合わせたのか。誰が交響曲第5番を作ったのか。

 

 

 ブートストラップ・パラドックス

結構有名なパラドックスだそうです。

 

ブートストラップというのは、

底の高い靴の後ろに着いている、

履くときに指を引っ掛けるストラップのことです。

「そのストラップを自分でつまんで、自分を持ち上げることができるか?」

というジョークがこのパラドックスの起源だそうです。

 

自動実行のパラドックスとも呼ばれ、基本概念としては

「未来に在る"もの"を過去に持ってきたとしたら、その"もの"は存在することが出来ない。」

何のこっちゃですね。

 

例えば、タイムトラベラーの兄弟が飛行機の設計図を持って、

飛行機が出来る直前の時代の過去へ行き、

自分たちはライト兄弟だと名乗って飛行機を作ってしまう。

ライト兄弟の名前も飛行機も歴史上には存在するが、実際のライト兄弟は存在しなくなる。

その場合、結局飛行機は誰か作ったのか?

 

こんな例はいくらでも挙げられますが、

確かにパラドックス特有のあの腑に落ちない感じは残るものの、

本質が掴めた気にはなりませんよね。

結局、その"もの"は存在出来ない、って何?

 

そう思ったので、英語wikipediaで調べて見ました。

ブートストラップ・パラドックスについての記事はなかったものの、

似たようなCausal loop(因果のループ?)の記事は出てきました。

A causal loop in the context of time travel or the causal structure of spacetime, is a sequence of events (actions, information, objects, people)in which an event is among the causes of another event, which in turn is among the causes of the first-mentioned event.Such causally-looped events then exist in spacetime, but their origin cannot be determined.

 

タイムトラベラーの文脈や時空の因果構造で語られる"因果のループ"とは、ある出来事の中で起こる一連の出来事(行動、情報、物、人物)が別の出来事によって引き起こされてしまうことで、今度はそれが一連の出来事の原因となってしまうこと。結果、因果のループに陥った出来事自体は存在するものの、その起源については決定出来ない。

  

つまり上で言っている"もの"というのは、

それに付随する記録や知識や人物などを全て含めた"もの"という意味でしょうか。

ここでは"events(出来事)"と書かれていますね。

 

 そして、その"もの"が引き起こされる原因が変わってしまったら、

"もの"の実際の起源は失われることとなり、

もやは元の"もの"は存在していないに等しい。

ということでしょうか?

 

わかったような、わからないような、、、。

まあ、パラドックスなんて素人があまり深く考えるものじゃないですね。結局。

DOCTOR WHO s1e4

『Aliens of London』- Russell T Davies

"He's not my boyfriend, Mickey. He's better than that. He's much more important."

- Rose

 

【あらすじ】

21世紀ロンドンへ戻って来たドクターとローズ。そこに偶然、宇宙船が墜落する。

未知との遭遇に沸き立つロンドンだが、すでにエイリアンは密かに政府内部へと侵入していた。

一方、ドクターはエイリアンの専門家として、首相官邸へ召喚される。

 

以下ネタバレ

ーーーーーー

ドクターはローズを連れ出した12時間後に着陸したはずでしたが、

実際に降り立ったのは12ヶ月後でした。

全然思った場所にたどり着かないですね、ターディス。

 

ローズは12ヶ月もいなかったので、かなりの騒ぎになっています。

町中に捜索願いのチラシが貼られ、

母親のジャッキーはもうローズは死んだと思い

彼氏のミッキーは殺人の容疑者として5回も警察に呼び出されたそうです。

It's not twelve hours, it's twelve months. You've been gone a whole year. Sorry.

Sorry. って言われても、

ドクター、、、。

 

ーーーーーー

そんな中、突然ロンドンに宇宙船が。

ド派手にビッグ・ベンに追突しテムズ川の中へ墜落します。

道路は封鎖され、ターディスも目立つので動かせず、

ドクターとローズはテレビで情報収集をします。

 

また報道番組がリアルで良いですね。

 

ーーーーーー

スリジーン。

気持ちいい程の気味の悪さですね。

絵に描いたような悪役っぷりの最後のセリフもまた良い。

 

人間の皮を被っていますが、ガスが出るらしく、

時々おならをしますが、

なんかその馬鹿げた設定がまた怖い!

 

でも、ちゃんと改良の意思はあるそうです。

We've really got to fix the gas exchange. It's getting ridiculous. 

 

ーーーーーー

ジャッキーの母親らしい娘の心配ぶりは、

観ていて暖かい気持ちになる。

DOCTOR WHOで英会話(S1E3)

ドラマ内で気になった英語表現を調べてみました。

 

ーーーーーー

That's more like it!

ドクターが子供のように、叫び声の方へ駆け出していくシーンですね。

初めて聞いたので調べてみました。

よく使われるカジュアルな表現だそうです。

 

意味としては、

・(むしろ)その方が良い

・そう言った方が近い

・ありがたい!

・そうこなくっちゃ!

・これでよし!

などがあります。

ドクターが言ったのは、勢いのある後半の訳に近い気がしますね。

 

このlikeは形容詞で、「似ている、類似の」などの意味を表します。

つまり、「それ(that)は、それ(it)により似ている。」

ここで言うそれ(it)とは、本人がより良いと思っているものを指します。

 

歯切れの良い言葉なので、たくさん使ってみたくなりますよね。

 

ーーーーーー

No chance you were going to say gazebo, is there?

ドクターが一番幽霊が出る場所は?と聞いた時、

「死体置き場」と答えたスニードに対して、

ローズが言った皮肉。

 

日本語訳では「面白くない答え」となっていましたが、

なんかもっと言ってるなと思って、気になったので調べてみました。

 

gazeboというのは「見晴台」という意味ですね。

多分直訳すると、

「見晴台と言おうとする機会は少しも無かった、そうでしょ?」

 

よくわからないですが、意訳すると

「まあ、見晴台ってわけにはいかないよね」

みたいな感じでしょうか。

 

正直、英語は勉強中の身ではっきりとわからないのですが。

詳しい方いらしたら、教えていただけたら幸いです。

 

ーーーーーー

What the Shakespeare is going on?

ローズを追って、スニード葬儀社にやって来たドクターとディケンズ

急に燃え上がったガスを見てディケンズが言ったセリフ。

 

調べてみると、これは実際に使われている英語ではないそうですね

 

What the Dickens is going on.

(一体全体何が起こっているんだ?)

 

という表現があるので、ディケンズがその"Dickens(ディケンズ)"の部分を

"Shakespeare"にもじったのでしょう。

 

what the Dickens is going onのDickensは、作家ディケンズとは無関係で、

彼が生まれる前から使われていたずっと古い表現だそうです。

Dickensというのは、devil(悪魔)と同じような意味で、

what the Dickensというのは、what the hellと同じようなニュアンスと取れるでしょう。

まあ、悪魔とか地獄とかあんまり品のいい言葉ではなさそうですね。

 

というか、Dickensが悪魔という意味なのを初めて知りました。

作家ディケンズは自分を"悪魔"と名乗ってたのですね。

それを知ると、彼の作品の味もまた変わって来ますね。

 

 

DOCTOR WHO s1e3

『The Unquiet Dead』- Mark Gatiss

"That's more like it!"
-Doctor

 

 【あらすじ】

1869年、スニード葬儀社は保管している死体が徘徊する事件に頭を悩ませていた。

ローズを連れて過去に訪れたドクターは、この興味深い事件に飛びつかずにはいられない。

また、講演会で偶然町を訪れていた作家ディケンズまでも巻き込んで、

ドクターは動き回る死体の事件を解決しようと奔走する。

 

以下ネタバレ

ーーーーーーーー

ドクター・フーでは、過去の偉人が出てくるのも見所のひとつです。

今回は世界的有名作家ディケンズが出てきます。

葬儀屋と、そこで育った孤児、という人物設定も、

ディケンズの代表作『オリバー・ツイスト』を少し思い出させますね。

まあ、オリバーは逃げ出しますが、、、。

 

ーーーーーー

本当はドクターは1860年のナポリのクリスマスに

ローズを連れて行こうと思ったんですね。

なんともロマンチックですね。

でも、着いたのは1869年のカーディフでした。

カーディフというのはイギリスを構成する四つの国のうちのひとつ、ウェールズという国の首都です。

まあ、要は地方の主要都市って感じですね。

 

ナポリに行ったはずがカーディフで、

ドクターとローズはあからさまに気分が冷めます。

そんな時、どこからともなく叫び声が。

That's more like it!

そうこなくっちゃ!

まるで子供のように大喜びして、駆け出していくドクター。

叫び声で大喜び。

そう、これがドクターです。

 

ーーーーーー

葬儀屋のスニードという人が出てきますが、

この人もまたいいキャラしていますね。

ドクターも、話聞きながらずっとニヤニヤしてますね。

 

死体が動き出しても、特に怖がることもなし。

葬儀屋なのに、休みだと言え、とか。

家が幽霊に取り憑かれてると聞いても、

it's been good for business. Just what people expect from a gloomy old trade like mine.

仕事にはうってつけだな。私のような陰鬱な商売をやってる人間には特に。

という始末。

かなりの実利主義者ですね。

 

ーーーーーー

幽霊の正体は、ゲレスというエイリアンなんですが、

タイム・ウォーで肉体が滅び人間の死体を肉体として使いたいそうです。

 

死体を使うという事に対して、ローズは真っ向から反対しますが、

ドクターはなぜいけないのかと問います。

ここの議論はなかなか見ものですね。

 

ROSE: But we can't.
DOCTOR: Why not?
ROSE: It's not. I mean, it's not
DOCTOR: Not decent? Not polite? It could save their lives.

非礼だから?下品だから?それで彼らの命が救えるんだ。

ROSE: It's just wrong. Those bodies were living people. We should respect them even in death.

生きていた人の体よ。死んでも敬意を払わなきゃ。
DOCTOR: Do you carry a donor card?

臓器移植は?
ROSE: That's different. That's

それは違う
DOCTOR: It is different, yeah. It's a different morality. Get used to it or go home.

ああ、違う。倫理観の違いだ。慣れろ、でなきゃ家に帰れ。

 

まあ、こんな感じでドクターは完全にゲレスを信用しきって、

必死にゲレスの命を救おうとするんですが、

結局ゲレスには数十億もの死体が必要で

ゲレスは人類を全滅させようとします。

 I trusted you. I pitied you!

信じたのに!同情したのに!

残念なドクター、、、。

 

ーーーーーー

今回のドクター・フーでいくつか物語のキーポイントがあります。

 

・世界には時空の裂け目があり、そこからエイリアンが出入りしている。

 

・時間の流れは一直線ではないので、過去が変えられ未来が変わる事もある。

 

・未来で生まれた人間が、過去で死ぬ事もある。

 

・タイム・ウォー

 

・バッド・ウルフ

 

ちなみに、

大抵の怪奇現象は裂け目を通って来たエイリアンの仕業だそうです。

 

 

DOCTOR WHO s1e2

『The End of the World』- Russell T Davies

" Perhaps a man only enjoys trouble when there's nothing else left."

- Jabe

トラブルを楽しめるのは、もう何も失うものがない人だけ。

 

【あらすじ】

ドクターがターディスでローズを最初に連れて行った場所は、地球最後の日だった。

地球の崩壊を鑑賞するためにお偉い方が集められたパーティーに、ドクターとローズも参加する。

しかし、その参加者の中には宇宙船の崩壊を企む者が潜んでいた。

乗員が次々と殺される中、ドクターは宇宙船と参加者の命を守ろうとする。

 

以下ネタバレ

ーーーーーーー

いきなりイギリス仕込みのブラックジョークのセンスがギラギラ輝く回ですね。

もう、最初から最後まで笑いっぱなしでしたね。

タイトルからして、2話目で

『The End of the World』って。

早っ!!!

もう世界終わるの!?

 

 

ドクターがローズを最初に連れて行った場所は、地球最後の日です。

要は、太陽が膨張して地球が崩壊する日ですね。

しかも、お偉い方はそれを娯楽のために鑑賞するそうです。

でも、別にドクターは地球を救ったりしません

もう、遅いそうです。

 

えーーーーー!!?

って思いますが、

ドクターの話をよく聞くと、

地球にはもう人類は残っておらず、

ずっとナショナルトラスト社が崩壊を食い止めて維持していたそうです。

しかし予算がつきたため、この度地球は崩壊する事となり

まあお偉い方でも集めて、ノスタルジックにでも浸りましょう。

、、、という事らしいです。

 

もう、なんともリアルですね!!!

 

ちなみに、大陸の位置もナショナルトラスト社が昔の形に並び替えたそうで、現在のままです。

もう、神の所業ですね、、、。

 

今回の登場人物でまた面白いのが、

最後の人類カサンドラですね。

 

ものっすごい薄っぺらくて白いです。

整形を708回繰り返しているそうで、来週709回目だそうです。

いや、むしろ708回であそこまでなれるんですね。

ローズ曰く

bitchy trampoline

日本語ではトランポリンのお化けって訳されてますが、

bichyってのはかなりキツイ言葉ですね。

 

こいつが本当に嫌な奴なんですよ。

ペラッペラで人間の面影なんて一つも残ってないのに、

純血主義者で、人間から進化した他の種族を見下しているんです。

 

しかも、宇宙船の崩壊や乗員の死、全てのトラブルの発端は

残念なことに最後の人類カサンドラです。

彼女はお偉い方が乗った宇宙船が不慮の事故で崩壊すれば、

競合の株が上がることを見込んで今回の事を起こしたそうです。

その上逃げ出して、賠償金まで取ろうとしている。

 

こんな奴が最後の人類だなんて、、、。

なんだかもう、人間であることが恥ずかしくなってくるような話ですね、、、。

しかも、妙にリアルなのが悔しいです。

 

最後はドクターに追い詰められて、破裂してしまいますが、、、。

破裂までされるとなんだか切ない。

こういう気持ち良いまでの悪役ってなんだか憎めないんですよね。

 

また、今回でドクターの正体が少し語られます。

ドクターはタイムロードという種族の生き残りで、

彼以外はみんな戦争で死んでしまったそうです。

 

ジェイブがドクターにかけた言葉が、

観てるこっちの胸にも突き刺さりますね。

Perhaps a man only enjoys trouble when there's nothing else left.

トラブルを楽しめるのは全てを失った人だけ。

 ドクターがどんな事が起きても楽観的で明るい理由の裏には、

もう何も失うものがないからという、悲しい事実があるからでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Downton Abbey

『Downton Abbey』

f:id:shunjihirotaya:20180220211205j:image

これこそまさに、群像劇の骨頂。

ノスタルジックな雰囲気と、綺麗なイギリス英語、そして見事な調度品は

映像を流しているだけでも心地良い。

 

【あらすじ】

時は19世紀前半。めまぐるしく変化する情勢、生活様式、そして人々の価値観。

イングランド北部の由緒ある大邸宅ダウントンアビーにも、その変化の波は訪れる。

史上、最も多くの没落貴族を生んだこの時代。

強い意志を持ちながら生き抜く貴族たちと、

それを取り巻く人々の人間模様を描いた物語。

 

群像劇ってこんなに面白かったのか!

最近のドラマの主流もあり、"主役"のいる物語に慣れきっていた昨今。

こういう全くの神視点で見る"正統派"群像劇は、逆に新鮮味を感じますね。

そして、気がつきます。

ドラマってこんなに面白かったけ?

見る度に違った視点で物語が見えるので何度見ても面白い。

 

群像劇でも少し偏ったりすると、ある一面が見えなくなりがちですが、

ダウントンアビーのバランスは見事です。

どの視点にも共感できるように描かれているのは、

まさに脚本と演技の巧さからでしょう。

セリフには言葉の"含み"がちゃんとあり、

俳優たちの演技もちょっとした目線などでの表現が細やかで、

かなり高いレベルでリアリティある世界に作られています。

ここまで自然に"場の空気"を作り出している映像作品は

映画でも滅多にないんじゃないかなと思いますね。

 

「このドラマは、事件になる」

どこかでこんなキャッチコピーが掲げられているのを見ましたが、

最初にはっきり言ってしまうと、こんな風にスパッと言い切るような、

衝撃的な内容のドラマではありません。

どっちかというと、ノスタルジックで物哀しげな雰囲気に浸りながら、

日々の生活を力強く生き抜いていく人々、と言った感じです。

 

でも確かに事件は起こります。

盛りだくさんの事件が、しかもいろんな所で同時進行で起こるので

一体何が事件なのかわからなくなるくらいですね。

時代の流れゆえの避けられないトラブルから、

個人間の対立、不満、悩み、恋愛トラブルまで次々起こります。

 

しかし、このドラマを観て驚くのは、

そういったトラブルが起きても取り乱さずに向き合い、

日々の生活を送り続けていく人々の姿です。

人間の真の強さというものが何かというのを

改めて知ることが出来るドラマです。