井の中の蛙、海外をただ観る

主にイギリスドラマ。映画も好きです。ドラマで得た海外の知識、調べた小ネタなど。

Downton Abbey

『Downton Abbey』

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これこそまさに、群像劇の骨頂。

ノスタルジックな雰囲気と、綺麗なイギリス英語、そして見事な調度品は

映像を流しているだけでも心地良い。

 

【あらすじ】

時は19世紀前半。めまぐるしく変化する情勢、生活様式、そして人々の価値観。

イングランド北部の由緒ある大邸宅ダウントンアビーにも、その変化の波は訪れる。

史上、最も多くの没落貴族を生んだこの時代。

強い意志を持ちながら生き抜く貴族たちと、

それを取り巻く人々の人間模様を描いた物語。

 

群像劇ってこんなに面白かったのか!

最近のドラマの主流もあり、"主役"のいる物語に慣れきっていた昨今。

こういう全くの神視点で見る"正統派"群像劇は、逆に新鮮味を感じますね。

そして、気がつきます。

ドラマってこんなに面白かったけ?

見る度に違った視点で物語が見えるので何度見ても面白い。

 

群像劇でも少し偏ったりすると、ある一面が見えなくなりがちですが、

ダウントンアビーのバランスは見事です。

どの視点にも共感できるように描かれているのは、

まさに脚本と演技の巧さからでしょう。

セリフには言葉の"含み"がちゃんとあり、

俳優たちの演技もちょっとした目線などでの表現が細やかで、

かなり高いレベルでリアリティある世界に作られています。

ここまで自然に"場の空気"を作り出している映像作品は

映画でも滅多にないんじゃないかなと思いますね。

 

「このドラマは、事件になる」

どこかでこんなキャッチコピーが掲げられているのを見ましたが、

最初にはっきり言ってしまうと、こんな風にスパッと言い切るような、

衝撃的な内容のドラマではありません。

どっちかというと、ノスタルジックで物哀しげな雰囲気に浸りながら、

日々の生活を力強く生き抜いていく人々、と言った感じです。

 

でも確かに事件は起こります。

盛りだくさんの事件が、しかもいろんな所で同時進行で起こるので

一体何が事件なのかわからなくなるくらいですね。

時代の流れゆえの避けられないトラブルから、

個人間の対立、不満、悩み、恋愛トラブルまで次々起こります。

 

しかし、このドラマを観て驚くのは、

そういったトラブルが起きても取り乱さずに向き合い、

日々の生活を送り続けていく人々の姿です。

人間の真の強さというものが何かというのを

改めて知ることが出来るドラマです。